「やればやるほど大きくなる」。そう信じてジムに通っている人は多いはずだ。科学はその感覚を支持しながらも、もう少し複雑な真実を教えてくれる。2025年にPubMedに掲載された3本の研究を紐解こう。
研究① ボリュームと筋肥大は、ほぼ確実に比例する
権威誌『Sports Medicine』掲載のメタ回帰分析(Pelland et al., 2025)は、67本の研究・2,058名のデータを解析した。結論は明快——週のセット数が増えるほど筋肥大が促進される確率は**100%**。量をこなすことの重要性は、科学的に揺るがない事実だ。一方で同研究は、筋力への効果と比べて筋肥大における”逓減”がより緩やかであることも示している。つまり、適切な範囲であれば、セット数を増やすほど着実に報われる。
研究② でも、増やしすぎは逆効果になりうる
同年のナラティブレビュー(Camargo et al., Eur J Appl Physiol 2025)は問う——「ボリュームには飽和点があるのか?」。過剰なトレーニングは筋タンパク分解経路を活性化し、筋合成シグナルを逆に抑制する可能性があることが示唆されている。また、個人差・筋群・種目選択によって反応が大きく異なることも指摘されており、初心者・中級者は**週8〜10セット**を起点に、体の反応を見ながら段階的に増やすアプローチが合理的だ。
研究③ 限界の「先」で行うパーシャルレップが、成長を加速する
Larsen et al.(Frontiers in Psychology, 2025)は、23名の男性を対象に10週間のカーフレイズ実験を実施。通常の限界(筋力低下点)まで追い込んだ脚の筋厚増加が**+6.7%**だったのに対し、限界後にパーシャルレップ(ハーフレップ)を追加した脚は**+9.6%**を記録。ベイズファクター13.3という「強い証拠」がこの差を裏付けた。
#理想のからだを、知識で。
「とにかく多く」でも「限界ちょうどで止める」でもない。週のボリュームを段階的に積み上げながら、各セットの終盤にパーシャルレップを加える。このシンプルな二つの工夫が、同じトレーニング時間の質を根本から変える。知識は、最高のトレーニングパートナーだ。
**参考文献**
- Pelland JC et al. *Sports Med.* 2026 Feb; PMID: [41343037](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41343037/)
- Camargo JBB et al. *Eur J Appl Physiol.* 2025 Nov; PMID: [40883636](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40883636/)
- Larsen S et al. *Front Psychol.* 2025 Feb; PMID: [39995432](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39995432/)

コメント